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憑依リレー小説を寄稿しました

もう先週のことになってしまったのですが、憑依好きの人さんのサイト「憑依ラヴァー」に、憑依リレー小説を寄稿させて頂きました!
ひょんなことから憑依薬を手に入れた主人公の行動はどんどんエスカレートしていって……というお話になっています。

憑依リレー小説【第四弾】(皆月ななな)
今回はトリを務めさせて頂きました!ドキドキです。

ぜひ第一弾からお読みください!
【第一弾】(井澄ミストさん、挿絵REIAさん)
【第二弾】(あるべんとさん)
【第三弾】(憑依好きの人さん)

天使のような(前編)

僕はクラスメイトの天草裕里香の家の前で、二度三度と深呼吸をした。

天草裕里香――裕里香さんは、僕らのクラスの人気者、という表現ではとても収まりきらないくらい、誰からも好かれる女の子だ。
ぱっちりとした大きい目、透き通るような白い肌、ふるふるとした唇。スタイルの整った身体、程よく大きい胸。
僕だけじゃない。みんながその美しさに見とれていた。
裕里香さんはクラスの、いや学年中の男子の憧れの的だった。
その容姿だけではない。裕里香さんは天真爛漫で、素直で、誰にでも優しく接する。
嫌味なところがなく、その容姿を鼻にかけるようなこともしない。だから、男性だけではなく女性からも好かれる。

裕里香さんの微笑みは、すべての人を幸せにする。

univ-ten1.jpg

その微笑みは――そう、まるでそれは天使のような。

それが、裕里香さんに誰もが抱く印象だった。

その裕里香さんが、この一週間ずっと無断で学校を休んでいる。
裕里香さんの親は海外で仕事をしているらしく、ひとりっ子の裕里香さんは実質一人暮らしをしているのだ。
そういったわけで、様子がわからない。

そこで僕らの担任は、クラス委員だった僕に白羽の矢を立てたというわけだ。
「大木、悪いけど、天草の家に行って様子を見に行ってくれないか」

この時ほど心のなかで小躍りしたことはなかった。
ジャンケンで負けてなってしまったクラス委員だったが、初めてなってよかったと思えた瞬間だった。
裕里香さんの家に僕が一人で訪問できるなんて。
周りの男子は「大木、俺に代われよ」なんてやっかみの声をあげたが、ここで譲るわけにはいかない。

というわけで、裕里香さんの家の前までやってきたわけだが――
「いざとなると、なかなか緊張するな……」

とはいえ、ドアの前で立ち尽くしていては変質者だと思われかねない。
僕は意を決してインターホンを押した。
二回。三回。
裕里香さんが出て来る気配は一向になかった。
どうなってるんだろうか。
僕はだんだん、心配になってきた。まさか、この中で裕里香さんが死んでるなんてことは……。

焦って僕は裕里香さんの家のドアノブをガチャガチャ回した。すると――
「あれ、開いてる……?」
開かないと思っていたドアには鍵はかかっていなかった。
悪いとは思ったものの、万が一ということもある。
女の子の家に入る事に若干気が引けたが、あとで謝ればいい。
一週間も無断で休んでいたら心配になるに決まっている。
そんな言い訳を心のなかでしながら、僕は家の中に入ることにした。

玄関どころか家の中全体に明かりがついていない。
もしかして、いないのだろうか。
「お邪魔します」
僕は誰に告げるでもなくつぶやきながら、様子を伺った。
すると、奥の方から声が聞こえるような気がした。

「……んっ…………っ……」
おそらく、裕里香さんだろう。やはり裕里香さんは家にはいるのだ。
「裕里香さん?」
呼んでみたものの、返事はない。相変わらず奥の方からくぐもった声が聞こえるだけだ。

なんとなく嫌な予感がした。
無事を確認しただけでもよかったじゃないか。
帰って、担任にこのことを報告すればいいだけだ。
だが、僕はそこで止まらなかった。いや、止まれなかったのかもしれない。

「裕里香さん」
僕はもう一度名前を呼びながら、声のする方へと歩を進めた。

声のしているのは、この部屋だ。
おそらくここは、裕里香さんの部屋……
そこまで来ると、声の正体は明らかだった。

「あっ……あんっ……んんっ……」
裕里香さんの声。とても艶めかしい、裕里香さんの声が聞こえる。
声の正体は、喘ぎ声だ。

予想外の事態に、僕は自分の鼓動が早くなっていくのを感じた。
今、僕は、聞いてはいけない声を聞いてしまっている。
高校での、いつも明るくて天真爛漫な裕里香さんからは、想像もつかないようないやらしい喘ぎ声が僕の耳に届いてくる。

「ゆ、裕里香さん……?」
僕はドアの外から再三再四呼びかけたが、喘ぎ声だけで応答はない。

裕里香さんが何をしているのか。答えは自明だった。
そこで帰ればよかったのだが、僕は好奇心を抑えられなかった。
裕里香さんの部屋のドアを、そっと半分ほど開ける。

部屋を開けた瞬間、むわっ……と鼻をつくようなメスの匂いがした。
薄暗い部屋。だが、ぬいぐるみや女の子らしい模様のカーテン、ベッド、ひと目見ただけで女の子の部屋だとわかる。
その奥に彼女がいた。

下着姿の裕里香さんは、やっぱりスタイルのいい身体してるんだな、と僕はぼんやりと思った。

univ-ten2.jpg

膝をついて四つんばいのような姿勢で、壁に左手をついて、壁に掛かっている鏡に自分を映していた。
こちらを見向きもせずに、食い入るように一心不乱に鏡の中の自分を見つめながら、裕里香さんは自分の下着の中に右手を突っ込んでいた。
学校では見たこともないような、快感に呆けた顔。
クチュクチュとも、グチョグチョともつかぬいやらしい音が部屋中に響いていた。

「――っ……」
声も出ない僕の息を呑む音が聞こえたのだろうか。
「彼女から出る」音が止んで、裕里香さんがこっちを見る。

「……誰だぁ?オメーは」
裕里香さんがぞんざいな口調で僕に言う。
暗くて僕のことがわからないのだろうか。

「あ、あの、勝手に入ってしまってごめん。大木順也です。先生に様子を見てくるように言われて、その」
「ああ」
裕里香さんは面倒くさそうに答える。まるでそんなこと興味ない、と言わんばかりだ。
それにしても、裕里香さんの態度がいつもと違いすぎる。
同級生にオナニーをしているところを見つかった女子高生の態度とは思えないほどに。

「あの――」
裕里香さんが僕の言葉を遮って言う。
「ちょうどいいとこに来たわ、お前」
ニヤニヤした顔で裕里香さんが立ち上がってこちらを向く。

下着姿を隠そうともしない裕里香さんを見ながら、僕は目のやり場に困った。
「ちょ、ちょうどいいところって」
「お前、『この身体』のクラスメイトってことだろ?」
「え……?」
言っている意味がよくわからない。この身体、とはなんのことだ。

「この身体つったら、この身体よ。ほれ……んっ」
僕の疑問を見透かすように、言いながら目の前の女の子は下着越しに自分の胸を揉み始める。

「ちょ……ちょっとっ」
「さて、大木だったっけ。俺、誰に見える?」
「え、そ、そりゃ、ゆ……」

裕里香さんです、と言おうとしてやり取りそのものの違和感に気づく。
なぜ裕里香さんが僕に自分の名前を聞くのだろうか。

「黙ってないで、言えよ。誰に見えるんだって」
裕里香さんがイライラした調子で言う。

「裕里香さん……」
「ユリカ……こいつの名前、ユリカって言うんだな」
裕里香さんがニタァ、と美しい顔を歪める。

「で、俺がそのユリカに見えるって?この俺が?」
愉快でたまらないという感じで裕里香さんが聞き返す。
やっぱり、何かおかしい。

「うひゃひゃ!そうかそうか、まあ仕方ねえよなあ、可愛い女の子だもんなあ、俺って。17歳ぐらいか?」
わざとらしくポーズを決めながら、鈴のなるような声で彼女は言う。
「胸だって、よく育ってるしなあ。最近の女子高生は発育がいいよな」
ブラジャーの中に収まった胸を寄せながら、相変わらずのにやけ顔でグラビアアイドルみたいなポーズを決める裕里香さん。

何かがおかしい、という自分の中の警告もあったが、僕はさっきから目の前で繰り広げられている同級生の痴態と、相変わらず部屋に充満した裕里香さんの卑猥な匂いで、知らず知らずのうちに息が荒くなっていた。

「お前、興奮してんのかぁ?目が据わってるぜ」
「……そ、それは」
「まぁ、気持ちはわかるよ。俺だってこんな可愛い子が目の前でこんなことしてたら興奮するわ。チンポ勃ってんだろ?」
「ゆ、裕里香さん……!」
突然クラスのアイドルから飛び出した卑猥な単語に僕は驚愕する。

「いいって、隠さなくても。じゃあサービスしてやるよ。さっきの……んっ……つづ、きっ……はぁ……」
言い終わらないうちに、裕里香さんがその場に腰を降ろし、右手をパンティの中に突っ込む。
同時に左手は、ブラジャーの下から生で胸を揉みしだいていた。

見ちゃいけないような気がして、僕は目を外そうとする。
だめだ。どうしても、凝視してしまう。

「はふっ……ひっ……電流、流れるみたいでっ……気持ちよすぎっ……女の身体すげえよっ……」
パンティの中で動く指が次第に早くなっていく。
先ほど聞いた、ネチョネチョという粘液が掻き回される淫靡な音が、僕の耳にへばり付いてくるようだった。

「あんっ……うっ……いいっ……あはぁぁん」
悩ましげな、言葉にならない声が可愛らしい唇からずっと発せられていた。

「あっ……やべ、またイくっ……おんなの、からだで、あっ、あああっ!」
小さくビクンッ、ビクンッと彼女の身体が数回小刻みに揺れた。

裕里香さんは、快感でだらしなくゆるんだ顔を紅潮させながら、しばらく焦点の合わない目を僕の方に向けていた。

後編につづく

(2017/5/27追記)
tsuniverseのuniverseさんから挿絵をいただきました!前編及び後編に追加しています。

幽体の魔法陣

博也と俺はいわゆる「悪友」というやつだ。
タイプは全然違うのだが、妙にウマが合って、中学の時からずっとつるんでいる。
博也はちょっと変わったものが好きだ。
オカルト、とでも言うんだろうか。
占いとか、催眠術とか、超常現象とか、そういう現実にはあり得ないと思えるようなことを次々見つけてくる。

たいていは何も起こらないのだが、博也は凝りだすと止まらない性格なのか、本格的なセットとか衣装とかをそろえだすので、見ていて飽きない。
社会人になった今では、金もあるのでその趣味に拍車がかかり始めているのだ。

「それで、今回は何なんだ?」
ここは博也の部屋――マンションの一室。
何の変哲もない部屋なのだが、今日はある一点だけ違っているところがあった。
部屋の中央に――こう、何とも言えない紋様が描かれた絨毯が敷かれているのだ。
魔法陣、なのだろうか。幾何学的で、「曼荼羅」のような印象も受けるその紋様を見ながら俺は言った。

「悠斗、これが気になるだろ?」
「まあ、こんなものがいきなりあったら、目につくよな」
「これはな、幽体になれる魔法陣の描かれた絨毯らしいんだ」
「はあ?幽体?」

博也の話ではこうだ。
いつものように怪しいオカルトショップを物色していると、この紋様が描かれた魔法陣が手に入った。
店主の説明では、これは海外から仕入れたものらしい。

「だったら、俺をわざわざ呼ばなくても自分で使ってみればいいだろ」
「いや、そういうわけにもいかなくてな。俺が使っても、何も起きなかったんだよ」
「じゃあ、パチもんだったんだろ?俺忙しいから帰るぞ」
そう言って俺は立ち上がり、帰ろうとする。

「ちょ、ちょっと待った!いや、なんでも、『魔術を信じない人間に、魔術は本当にあるということを身をもって知らしめるために作られた』らしいんだよ」
「はあ……」
「悠斗、お前魔術を信じてないだろ!だから、お前なら効くんじゃないかと思って」
そうなのだ。俺は博也と違って、まったくこの手のオカルトを信じていない。

「じゃ、これで俺に何も起きなかったら、お前もそろそろこういうのから卒業しろよ」
「うっ……」
「こんなのに金使ってたらさ、いつまでたってもあゆみちゃんも振り向いてくれないぞ?」
このアパートは博也の会社の社宅なのだが、一つ隣に住む会社の後輩の女の子が博也のお気に入りなのだ。
俺も一度、すれ違ったことがある。愛想のいい子なのだが、博也の話ではガードが固すぎて、デートに誘っても全然振り向いてくれないということなのだ。

「……わかったよ、でも、これは本物だから!お前もびっくりするはずだから」
「で、どうすればいいんだ?この上に乗ればいいのか?」
俺は博也の話を遮るようにして、俺は絨毯の上に乗る。

「あ、ああそうだよ。じゃあ、そのままちょっと待っててくれるか?」
言われて俺は、しばらく待つ。

「……あっ」
博也がハッとしたような声をあげる。

「どうした?博也……」
声を出して、俺は違和感を感じる。
なんか、自分の声が……小さいというか、「薄い」というような感じを受けたのだ。
ふと自分の身体を見ると、その違和感の正体が直感的に分かった。

薄い。薄いのだ。
自分の身体が、半透明になっている。
しかも、どんどんと薄くなって、もはや自分の身体を通り越して地面が透けて見えるまでになっていた。

「な、なんだよ!コレ」
「お、落ち着け悠斗!これが……これが幽体になるってことなんだって」
「そんな、」

本当にそんなことがあるなんて。そう口にしたはずだったのだが、自分で自分の発した声がほとんど聞こえなくなっていた。

(おい、聞こえてるのか)
「悠斗?おい、悠斗、どこかにいるんだろ?」
(博也!俺はここだって!魔法陣の上にいるだろ)
「おーい、悠斗!どこ行った?」
(聞こえないのかよ!)

自分では大声で叫んでいるつもりだ。
しかしどうやら博也には、俺の声が聞こえていないみたいだった。

混乱した博也は、アパートから俺を探しに出て行ってしまった。
(困ったな、これじゃ、どうやって戻るのかわからないぞ)
俺は独り言を言うが、その声すら自分に聞こえない。
まさか、本当に幽体になってしまうなんて。

(待てよ。もしかして……)
俺はあることを思いついて、壁の方に近づいていく。
壁にどんどん、近づいて……壁に当たる感覚のしないまま、壁があるはずの空間に自分がめり込んでいく。
やっぱりだ。壁なんか幽体には関係ないんだな。
ずぶずぶとめり込んだと思ったら、その先にあるのは……

---

(ここが、あゆみちゃんの部屋か)
そう、俺はあゆみちゃんの部屋に来ていた。
博也がひそかに想いを寄せるあゆみちゃん。

(ん?でも、あゆみちゃん今はいないのか?)
そう思って帰ろうとすると、遠くの方から水の流れるような音が聞こえる。
そちらの方角に目を向けると……。
あっちは、もしかして浴室だろうか。
ふわふわとした足取りで俺がそちらの方に移動してみると、果たして浴室に、シャワーを浴びている人影があった。

まさかこのタイミングでシャワーを浴びてるなんて!
もっと見たい。そう思った俺は、さっきの要領でずぶずぶとすりガラスの戸を越えていった。

博也が好意を寄せるのも無理はない。
きゅっとくびれたウエスト。つるつると玉のような肌。つんと突き出た柔らかそうなお尻。
そして、なんといってもお椀のような形のいいおっぱいに、お湯を浴びて桜色に上気した乳首――
理想の肉体がそこにあった。

(おおおっ)
思わず声をあげてしまい、俺は慌てて口をおさえる。
あ、そうか、今は幽体だから聞こえてないんだった……
まじまじと、近くに寄って後ろからあゆみちゃんの身体を眺める。
(本当に、いいカラダしてるなあ)
触れたいと思うが、幽体の今はそれは叶わない。

ご機嫌がいいのか、鼻歌交じりで身体に付けた泡を洗い流している。
泡が落ちると、水滴が玉のように弾かれていく肌。本当に綺麗な肌だ。
俺が夢中になって眺めていると、あゆみちゃんがふいに振り返る。
(うわわっ、危ない!!)
ぶつかる!!

---

俺は思わず目を閉じる。
その瞬間、俺は浴槽で尻もちをついてしまった。
尾てい骨のあたりに、激痛が走る。

「いたたたたた……えっ?」
思わず、声をあげて俺はハッとする。
ほんの1秒足らずの間に色々な思いがよぎる。
そもそも、俺は幽体のはずだから、あゆみちゃんとぶつかるなんてことはないはずだ。
何で俺が尻もちをついてるんだ?なぜ痛みを感じた?
それに、あゆみちゃんはどこへ?
そして何より、今俺があげた声、なんか高くなかったか?

とにかく、一度立ち上がらなければ……
そう思って手をつこうと下を向いた俺の目に飛び込んできたのは――
白くて、まだ湯気のでている身体。
その胸は、まるで自分の胸じゃないみたいに膨らんでいて。
形のいいその胸の先には、つんと桜色の、男とは思えないぷっくり膨らんだ乳首がついていた。

「えっ?ええええええっ!?」
びっくりして声をあげ、その自分の声にもう一度びっくりして絶叫する。
高いというか、これじゃまるで、女の声……?

そうだ!あゆみちゃんは?この状況をどう言い訳すれば……
焦って後ろを振り返ると、そこには案の定驚愕した顔の、裸のあゆみちゃんが。
綺麗な長い黒髪が、シャワーを浴びて濡れている感じもセクシーだ。
って、そうじゃなくて!

「ご、ごめん!これはその……」
思わず手をあわせて謝ると、あゆみちゃんも手を合わせて謝っている。
何もあゆみちゃんが謝ることはないのに。……あれ?

落ち着いてみると、裸のあゆみちゃんは俺と全く同じ行動を取っていた。
俺が右手を挙げれば同じように、おずおずと右手を挙げる。
そのまま右手をふると、あゆみちゃんもふるふると手を振っている。
俺がぎこちない笑顔を向けると、あゆみちゃんもぎこちない笑顔。
「これ、鏡……?」

俺は手をついて確認する。やっぱりこれは、鏡だ。
「ってことは……」

その後は声にならない。俺、女に……あゆみちゃんになってる!?
もう一度自分の身体を見る。
先程と同じように存在感を主張している俺の胸。
水滴をまとった俺の胸は、俺の動きに合わせてふるふると柔らかく、小さく震えていた。
ごくり、と喉をならす俺。自分の胸が、いや、あゆみちゃんの胸がドキドキしているのが伝わってくる。

そっと小さな手で触れてみる。さわられた感触。
右の人差し指だけで、谷間のあたりをつん、と触ってみる。
柔らかな肌を押された感覚と、マシュマロのような弾力が同時に伝わってくる。
少しずらして、自分の右の乳首に軽く触れる。

「んっ……」
微かな電流が流れたような感覚に、思わず身体全体がぴくん、と反応する。
「これが……女の子のカラダ?」

左手の指も、左の乳首に添え、軽く触れる。
「はううっ……」
くすぐったいような、ちりちりとした感覚。
堪らなくなって、しばらく右の人差し指で右の乳首を、左の人差し指で左の乳首を、ころころと転がす。
「はああん」
ため息混じりに自分の口から、女みたいな喘ぎ声が聞こえてくる。
その自分の声に興奮して、自分の乳首が更に硬くなっていくのを感じていた。

もっと刺激がほしい。俺は自分の乳首を人差し指と親指の腹を使って少し強めにつまむ。

「あうううっ」

さっきよりも強く、電流が流れる。
頭の中を快感物質が支配する。
俺、あゆみちゃんの指で、あゆみちゃんの乳首を弄ってる。
あゆみちゃんの快感を、感じちゃってる。
あゆみちゃんの声で、喘いじゃってる。
やばい。これ、おかしくなる。

「そうだ……」
ぼんやりしてきた頭で俺は考える。
胸だけじゃない。今俺は、全身が女。全身が、あゆみちゃんなんだ。
当然、下のほうも……

膝をついた姿勢でいた俺は、一旦乳首を弄るのをやめて、あぐらをかく。
眩しいばかりの女の太ももが自分の視界に入り、一瞬目のやり場に困る。が、
「いやいや、今これ、俺のカラダだから……」
そうだ。自分の身体に恥ずかしくなってどうする、俺。

それでも、今は自分の身体とはいえ、なんとなくあゆみちゃんの秘密を見てしまうのは申し訳ないような気がする。
「と、とにかく触るぞ……」
普段の自分と違って、顔が紅潮しているのが自分でもわかる。
右手を股間に伸ばす。
「ほ、本当に今何もないんだ……」
いつもだったらそこにあるはずの、触り慣れたアレは影も形もなく、俺の手は虚しく空を切る。

ならば、もっと先に。
俺の股間は、すでにヌルヌルとした液体で満ちていて、それが今自分が女なんだということを際立たせていた。
やっぱり、ない……
手のひら全体で、股間の上を撫でるように触る。
股間から出た女の液体を、潤滑油のように引き伸ばすようにしながら、手のひら全体でマッサージするように撫で回していく。

「あっ…あん……これ、気持ちいい」
俺の声であって俺の声でない、あゆみちゃんの声でわざと喋らせることで、興奮がどんどん増していく。

「やば、これ、いい、すごい、とまらないよう」
クチョクチョクチョとリズムよく浴室に響き渡る音と、自分の喘ぎ声が淫靡さを更に際立たせ、俺の興奮物質をエンドレスに増していく。
これまでに感じたことのない快感。

してはいけないことをしている、しかも他人の身体で。
そんな背徳感を感じながら、自然と左手は乳首を摘む。

「ひいっ」
さっき乳首に感じた快感と、股間の相乗効果。
変なゾクゾクした感じが、たまらなく気持ちいい。

「あっ、ああっ、あっ、あっ、」
そのまま、自分についているはずもない大きく膨れ上がった乳首をコリコリと摘みながら、無限に股間から湧き出てくる液体を、手のひらで股間全体に塗るように撫で回す。
もう、声にならない。気持ちいい。

もう、ヤバい。イきそう……
ふと顔をあげた。
そこには鏡があった。
顔をピンク色に紅潮させて、だらしなく口を開けて、感じている女の顔がそこにあった。
手は乳首と、そして股間に。
オナニーしている女を見ながら、その女は自分で、俺がその女にこの表情をさせていて、
いや、こんなエロい表情をしているのは、俺自身。

「ああああああん!」
これまでに感じたことのない倒錯感と、快感の波に飲み込まれ、全身がビクビクと痙攣する。
俺は女として、あゆみちゃんとしてイッってしまった。

---

「はあ……」
俺はあゆみちゃんの部屋で、ため息をついていた。
俺は一旦はあの魔法陣で幽体になったが、おそらくあゆみちゃんと重なった瞬間、俺はあゆみちゃんの身体に憑依してしまったのだろう。

ふと下を見れば、自己主張を続けている俺の2つの柔らかい膨らみ。おっぱい。
浴室から出たところに脱ぎ捨てられていた下着の上に、ワンピースを着ている。
いまのスタイルのいい俺の身体には、このワンピースはとてもよく似合う。
付け方がわからなかったので、ブラジャーはしていない。

うーん、とりあえず、博也ともう一度会わないとな?
そろそろ、流石に隣の部屋に帰ってきていることだろう。
「そうと決まれば……」

俺は置いてあったストッキングを苦労して履いて、姿見で自分の見た目におかしなところがないか、確認した。
「よし、どこから見ても……あゆみちゃんだな!うふ♪」
俺はくるりと一回転して、可愛い声でそう言うと、ニヤリと笑った。
鏡の中のあゆみちゃんが、邪悪な笑みで綺麗に整った顔を歪める。

そして俺は、再び博也の部屋のインターホンを鳴らしたのだった。
ただし、博也の部屋の隣に住む職場の後輩の、あゆみとして。

幼なじみ

「おーい、朝だぞー」
亜子が今日もやってきた。
俺の幼なじみ。幼稚園からずっと同じクラスだ。
だが、俺はもうずっと高校に行ってない。

「いや、俺はもう、学校行く気ないから……ほっといてくれよ」
「ええっ、でも、学校楽しいよ?きっと行ったら楽しくなってくるよ」
心の底から心配した様子で亜子が言う。

ベッドに横になりながら、俺はほとんどその話を聞かずに亜子のことをぼーっと見ていた。
幼稚園の頃から見ていた亜子。
今もどこか幼い顔をしているが、高校の制服に包まれたその身体は幼稚園の頃とは違うのだと主張しているようだ。
特にその、ブレザーの上からでもわかる、胸が……。

「ちょっと!聞いてるの?」
亜子が怒ったように言う。

「うるさいなあ、そんなに言うなら亜子が俺の代わりに行けばいいだろ!」
その言葉を聞いて、亜子が不敵な笑みを浮かべる。

「ふっふ~ん。そう言うと思ってね。今日は私の能力を見せたいと思います!」

「えっ?」

と、思っている間に視界がぐるん、と回る。
ジェットコースターみたいに、一回転。

気づくと俺は、俺を見ていた。
「えっ?えっ、何が、って、げほげほ!んんっ!」
なんか声が上ずって高くなってる。

「えっ!?な、なんか手が小さい!」
「何で俺が女子の制服着てるの?」
「俺の胸が!」
「なんでスカート……って下着まで!」
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「な、ない!ないーーー!」

視界の中の俺は俺が慌てる様子を楽しそうに眺めていた。

「ふふーん、身体を入れ替えてみました」
「お前、もしかして亜子か?ってことは、これは……」
「そう!私の身体です!!」
この上ないドヤ顔で答える俺。俺ってこんな顔できたのか。

「これ元に戻るのか?」
「戻しません!」
「戻しませんって、お前……」
「さっき言ったでしょ」
「え、な、何を……?」

「私が代わりに学校に行きます!!」

---

というわけで、亜子が代わりに学校に行ったわけだが。
まさか、あんなことになるなんて。

帰宅中に、道路に飛び出した1学年下の少年を助けようとした亜子――俺の身体はトラックにはねられてしまった。
即死だったそうだ。
その少年は、自殺するつもりだったらしい。皮肉なことで、その少年は助かったのだ。

俺との入れ替わりのことは誰にも言ってなかったらしく、俺は、亜子の身体で一生を過ごすことになってしまった。

5年後――

「ママ、行ってきまーす」
「亜子、気を付けて行ってくるのよ」
「大丈夫大丈夫!」

俺は、亜子のフリをして過ごしている。もう大学2年になった。
入れ替わった当初は戸惑いがちだった亜子のフリも最近は板についてきた。
今は自分が亜子だという気持ちで過ごすことができるようになってきた。
昔では考えられないぐらい、明るい女子大生を演じている。

あの頃は制服だったが、今では私服で学校に行っている。
亜子ならどんな服を選んだんだろうか。

「亜子、おはよう!」
「正樹、おはよう」
この大学生は、俺の身体の亜子が助けたあの男の子だ。
一つ年下なのだが、なぜ呼び捨てなのかというと、俺は正樹と付き合っているのだった。
あの事件があってからすぐ、正樹側からの猛烈なアタックがあって、思わずOKしてしまった。

俺としては、男と付き合うなんてごめんだったのだが、正樹だけは違った。
正樹といると、本来の自分に戻れるような不思議な感覚がするのだった。
「今日わたし、学校行きたくないよ~……」
普段誰にも見せない、俺の本来の姿。元気な亜子とは違う引きこもり体質の俺。

「何言ってんだよ亜子、学校楽しいよ?きっと行ったら楽しくなってくるよ」
心底心配した様子で、正樹がいう。
「ん?そのセリフ、どこかで聞いたことあるような……」
「え?あっはっは、気のせい気のせい。それよりさ、またお前の服、選んでやるから今日講義終わったら買い物行こうぜ」
「う、うん……」

正樹っていいやつなんだけど、講義の最中も、終わった後も、ずーっと俺と一緒にいるんだよなあ。
服も高校生の頃から全部選んでくれるから、正直楽なんだけど。
なんか監視されてるみたい?っていうか……
だいたい、何で女の服にそんなに詳しいんだよ?女装趣味でもあるのか?
それに、自殺しようとしてたと思えないぐらい、明るくて元気なんだけど。

聞きたいことはたくさんあったが、いつもごまかされてしまうのだ。
それに……

「なあ亜子、それで、今日の夜も……な!」
「うん、わかってる。本当に正樹、好きだよね」
「俺は亜子の気持ちいいとこなら全部わかるからな」
こう豪語する正樹、言うだけあってあっちの方がすごく上手いのだ。
それに、女の身体は男の時より格段に気持ちいい。
亜子には悪いけど、これだけは女になって本当に良かったと思っている。

「ああ、俺も男がこんなに気持ちいいなんて……っと、何でもない。今日も楽しみにしてるよ」
「う、うん!」
俺は、正樹に抱かれることを想像して、早速身体と股間が熱くなるのを感じていた。

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F(えふ)さんが投稿されていたこちらを見つつストーリーを付けさせていただきました!

入れ替わりの指輪

「あ、あたし、清彦になってる……」野太い男の声が聞こえる。声に似合わず、喋り方が女のようで気持ち悪い。
とはいえ、その声は数分前まで俺のものだった声だ。

「ああ、本当に起こるんだな、こんなこと」鈴のなるような可愛らしい声で俺が答える。
「あーあー」
声を出すと耳が気持ちよくて、ついつい声を出したくなって、発声練習のようなことをしてしまう。それを怪訝な様子で俺の顔が見つめている。

本当に変な気分だが、他人が動かしている自分の顔を見ていることで、自分が他人―双葉になったことが実感できる。
「なあ、双葉」「えっ?」双葉と呼ばれた、俺―清彦の顔がこちらを見る。そんな他愛のないことをしながら、目の前の俺のカタチをしているものが、双葉なのであるということを、確認していく。
まさか、本当に入れ替わるなんて。

---

きっかけは今日、双葉が持ってきた指輪だ。
「ねえ、この指輪なんだけど……」双葉が差し出したのは、一見何の変哲もない銀色の指輪。
だが、ペアリングなのか、二つある。

「何?これ」
興味はあまりなかったが、聞いてみる。俺が興味あるのは双葉だけだ。
付き合って3か月。あどけない感じの唇。サラサラの髪。くりくりと可愛らしい瞳。それらのパーツが整った顔になっている。
しかも、身体も俺好みだった。今日は白いタートルネックのセーターを着ているから、胸が強調されている。今でも近づかれると、胸ばかり盗み見てしまって、双葉に怒られる。太ももも白くしなやかで、すらっと伸びて、美しい。全体的に柔らかそうで、バランスのとれた身体。

俺は早く双葉の身体をもっと見たい――簡単に言えばセックスしたかったのだが、セックスはおろか、キスすらまださせてもらっていない。本人が嫌がるのだ。そんな双葉と付き合えたこと自体が俺にとっては奇跡のようなものだったが、早くもっと二人の関係を進展させたいと思う俺にとって、双葉の言うことはなんでも興味をもって聞いてみたかったのだ。

「これね、『入れ替わりの指輪』なんだって。友達にもらったの」
「『入れ替わりの指輪』……?」
俺はあからさまに怪訝な顔をしていたのだろう。双葉は慌てたように言った。
「あ、でも、わたしも全然信じているわけじゃないんだけど」
ぱたぱたと手を振りながら答える。本当にかわいらしい。
「なんかね、これをお互いの指につけると、お互いの心が入れ替わるんだって」

そんなこと、あるわけないじゃないかと言いかけて俺は考え直した。まてよ。
ここで、俺が双葉のことを否定してしまえば、何も起こらないどころか、双葉を悲しませるだろう。
逆に、「入れ替わりの指輪」とやらに話を合わせて聞いてあげれば、双葉も喜んでくれるかもしれない。
実際にもし入れ替わったら……俺は、双葉の身体をもっと「よく知る」という千載一遇のチャンスを手に入れるわけだな。俺は絶対にありえない妄想をたくましくした。

「なるほど。面白そうじゃん。それを付けて、入れ替わってみようよ、俺たち」
「え、でも……」
自分から言い出しておいて、なぜか渋る双葉。どうせ入れ替わらないのだから、ごっこ遊びのようなものだというのに。
渋られると、ごっこ遊びとはいえ、俺もなんとかして乗り気にさせたくなってくる。
「俺、入れ替わって双葉の視点で色々見てみたいよ。双葉だって男の感覚、味わってみたら楽しいと思うしさ」

色々言ってなだめすかしていたら、ついに双葉が折れた。
「うーん、じゃあ、ちょっとだけだよ」
双葉はそう言いながら、とてつもなく嬉しそうな顔をしていた。
「どうした?」
そう俺が聞くと、また慌てたように双葉は答えた。
「えっ!?あ、違うの。これはその……清彦が、わたしの事にそんなに興味を持ってくれるのが嬉しくて」
そう言うと双葉は、恥ずかしいのか俺から顔をそむけた。
こういうところも、双葉の可愛いところだ。

---

そんなわけで、彼女の部屋に来て、指輪をお互いにつけることになったのだが、まさか本当に入れ替わるとは思ってなかった。
見下ろすと、二つの丘が俺の白いタートルネックの胸元を押し上げている。自分の下半身が胸に隠れてよく見えない。
ベージュのスカートから、普段の俺では考えられない、すべすべとした色白の足が伸びている。俺は思わず恥ずかしくなって目をそらすが、今、これは自分の脚なのだ。スカートの中で足をすり合わせると、普段味わえない、内ももと内ももがさらさらとこすれ合わさる奇妙な感覚がする。毛もないすべすべとした感覚だ。

夢にまで見た、双葉の身体。今、これは俺の身体なんだ。

「あ、あんまりじろじろ見ないで、私の身体」
オカマみたいな口調で俺の声が恥ずかしそうに響く。そうだった。双葉に見られてるんだった。
「そうは言うけどさ、気になるんだよ、双葉の身体。俺たち付き合ってるけど、キスもしたことないじゃん」
「それはそうだけど……」
男性恐怖症でもあるのか、頑なにキスを拒んでいた双葉は不満そうにしながら、チラチラと俺を盗み見る。
「ん?」
俺はある違和感を抱く。
俺になった双葉の目線が、俺の――つまり双葉の、目を見ていないような気がする。その目線の先にあるのは――

「自分の胸、そんなに気になるか?」
言い当てられて、俺になった双葉はハッとした様子で横を向く。
「べ、別に」
俺はニヤニヤした。なんだ、結局双葉も、興味あるんじゃん。

「双葉の胸なんだから、別に双葉が見てもいいんじゃないかなあ?」
そう言いながら俺は、わざとしなを作りながら、自分の脇をしめるようにして、胸を強調させる。
「ちょ、ちょっと!やめてよ!」
そう言いながら、双葉は俺の胸から目が離せなくなっている。
なんだか楽しくなってきた。

「そんなこと言って」
俺は双葉の声で囁きながら、俺は真っ赤になった双葉のそばにすすす、と這いよる。
そして耳元で言う。
「双葉、勃起してんじゃん」
「えっ」

俺の身体が正直なのか、双葉の精神がそうさせたのか、俺のアレはズボン越しからもわかるぐらいに股間を盛り上げていた。
「こ、これは……」
「双葉、興味あるだろ、正直になろうよ」

双葉がふと、俺の顔を見つめる。
俺の目は自分でもわかるぐらいに潤んでいて、顔は紅潮していて、いつもの双葉なら絶対に浮かべないであろうエロい表情を浮かべていたのだろう。
双葉の息が、近くでわかるぐらいに荒くなってくる。

「ねえ、しようよ」
双葉だったらこんな口調で言うだろうな、と思って、双葉のマネをして、鈴のなるような双葉の声で俺が言った。

その声が完全にトリガーになったようだった。
双葉の目が据わって、俺の顔に双葉の顔が近づき、そして、唇が重なる。

初めてのキス。男として双葉にキスできなかったのは残念だが、元に戻ったらこれまでより仲良くなってるはずだ。
ついに、俺は双葉の心理的な壁をクリアした。俺は内心ほくそ笑んだ。

それにしても。
女のキスって、本当に全身で感じるんだ……
思わず俺は目を閉じる。キスの快感を全身で感じたくて。そうか、女が目を閉じるのはこういうことだったんだ。

いちいち感動しながら、俺はちょっとした違和感を感じていた。
なぜ、双葉はこんなにキスが上手いんだ?
貪るように、双葉のぷっくりとした唇に、舌に、吸い付いてくる俺の唇。
あんなにキスを拒んでいた双葉。なんで自分から?
だが、そんな違和感は女としてのキスの気持ちよさに消し飛んでいた。もっともっと……

---

息ができないほど激しいキスのあと、ぷはっ、と唇を離して、俺の顔が言う。
「ねえ、もっと気持ちよくなろっか」

双葉が自分からこんな事を言うなんて。これも、俺の体に引っ張られてるんだろうな。
「うん」
雰囲気を崩して、この千載一遇のチャンスを逃してなるものか。俺は、大人しくそれに従った。

セーターを脱いで、露わになるブラジャーに包まれた俺の胸。思わず俺は自分の胸の谷間に目が釘付けになる。
思ったよりも、大きい。あ、こんなところに、ほくろがあるんだな。

双葉に「あんまりジロジロ見ないでよ」と言われそうな気がして、俺は慌ててブラジャーを脱ぐ。
若干苦労したが、身体が覚えているのか、意外に簡単に脱ぐことができた。
ふるん、という擬音が出そうなほど形の良い2つの乳房に、思わず「おお」と声をあげかける。
ハタから見ると可愛い女の子が見慣れているはずの自分の胸に大興奮しているという異様な光景だ。

急に、双葉の身体が俺を押し倒す。
「……もう我慢できない」
双葉が荒い息でそんなことを言いながら、俺の胸を優しく触る。
数時間前まで俺のものであったごつごつした男の手が、今では俺のものになった女の乳首に触れる。
「ひゃうう」
自分から出た女の声に驚く暇もなく、双葉は俺の気持ちいいところを的確に攻めてくる。

俺は為すすべもなかった。
「あん……、ああん…」
自然に女みたいな嬌声が出ていた。
「その身体の気持ちいいところなら、全部わかってるんだから」
女の身体って、やばい。気持ちいい。
「あん!あああああん!」

---

俺は、あっという間に双葉にイかされてしまった。
初めて味わう女の身体の快感の余韻にボーっとしていると、いつの間にか全裸になっていた双葉が俺に言った。
「ねえ、今度は一緒に気持ちよくなろうよ」

ニヤニヤしながら言う双葉の表情はまるで男みたいで、直感的な違和感を感じた。
双葉の精神が入っている俺。その下半身が露わになっている。股間は勃起していた。

俺はなんとなく気恥ずかしさを感じたが、そんなこと双葉はお構いなしに俺の上に覆いかぶさった。
「ちょ、ちょっと待って、まだ心の準備が……」
「そんなもん関係ねえよ」
男のような口調で双葉はそう言うと、双葉はさっきの快感ですでにグチョグチョになった俺の中に、かつて俺のものであったモノを挿入した。

「ひっ」
ぬるんとした、男では絶対に感じられない「中に入ってくる」という感覚。
その初めての感覚で、下半身に力が入る。

「おお、いい締め付けしてくるねぇ」双葉が言う。
さっきから、何かがおかしい。双葉が、まるで男みたいに。何かおかしい……。

違和感が頭の中で実を結ぶまえに、双葉が俺の腰を掴み、ピストン運動を繰り返す。
「あっ、あっ、あんっ……」
繰り返し感じる感覚一つ一つが、男のときの射精よりも気持ちいい。
寄せては返す快感で、俺の頭は埋め尽くされてしまった。

「あん、あん、あん、あん」
ヤバい。これが続いたら、頭がおかしくなる。
快感で、俺の目は焦点を結べず、俺は目を閉じる。
潤んだ俺の瞳から、涙がつーっと自然に流れ落ちる。
女の身体。双葉の身体。
この身体の快感を、双葉はずっと感じていたんだ。

「あん、あん、あん、」
やばい、何かが。
「これ、イく……イッちゃうっ」
「俺もイくっ……!」
え、今双葉が「俺」って言った……?
快感の海に溺れながら、微かにそう思った気がしたが、その後にものすごい量の快感が押し寄せ、俺は気を失った。

---

「おい、そろそろ起きろ」
男の声で、俺は目が覚める。あれ……俺、どうなったんだっけ……?
股間がヌルヌルして、気持ち悪い。あれ、なんか変な、喪失感が。股間のモノがないような……
じわじわと、思い出してくる。そうだ、俺、双葉と入れ替わって。

「双葉……」
俺は双葉の名前を呼ぶ。

「双葉?双葉はお前だろ」
「え、何を言って」
「鏡見てくるか?お前は双葉。俺は清彦だろ」
「いや、そうじゃなくて、『入れ替わりの指輪』で……」
「はぁ?」
心底意味不明だと言う様子で俺の顔をした男が答える。

「え、だって、あれ、あれっ……?」
パニックになる俺を見ながら、「清彦」はしかめっ面を崩して吹き出す。
ああ、よかった。双葉はふざけて俺をからかっていただけだったんだ。
そう思った俺に、男は言った。

「お前、まだ俺の事を本当の双葉だと思ってたのか」
どういうことだ。俺は確かに、双葉と入れ替わって……だからこそ、俺は今双葉の身体でいるんじゃないのか。

二の句が継げなくなっている俺に、やれやれと言った様子で「そいつ」は言った。
「だからさ、最初からお前、俺に騙されてたんだよ」
「双葉じゃない……?お前、双葉をどこにやったんだ!」
「だから違うって。俺も前に、その『双葉』の身体の誰かに騙されてさ、その身体に入ってたわけ。お前がずっと『双葉』だと思ってたのは、俺だったんだよ」
「じゃあ、『入れ替わりの指輪』を友達に貰ったっていうのは」
「嘘に決まってるだろ」
「そんな……」
「この指輪で、誰かと入れ替わるチャンスを狙ってたんだよ。男の身体に戻れるチャンスをな。大変だったぜ、お前に怪しまれないように入れ替わりをしぶったフリをするのも」
俺は絶句する。俺が入れ替わりを説得したときの、双葉の嬉しそうな顔。
あれは、違う意味だった。「これでやっと男に戻れる」という意味だったのだ。
「双葉」の中身が元々男だったということが分かった今となっては、すべての行動に納得がいく。

「そんなの認められない!今すぐ俺を戻せ!」
「いやぁ、それが無理なんだわ。入れ替わった状態で一回元の身体とセックスすると、もう元には戻れないのよ。嘘だと思うならやってみてもいいけど」
おそらく、言ってることは本当なのだろう。俺はがっくりと肩を落とした。

「でも、お前多分、俺より女のセンスあるから大丈夫だよ」
双葉……いや、双葉ではなかった。その男は俺の顔でニヤッと笑った。
「俺は男とキスするのもごめんだと思ってたけどさ、お前、全然平気みたいだったし。セックスしてるときのお前、完全に女だったしな」
ぽんぽん、と呆然としている俺の頭を叩くと、清彦になった男は言った。
「まあ、その『入れ替わりの指輪』で適当な男を騙して、男に戻るのもよし。お前もよくわかってると思うけど、『双葉』は相当魅力的な女だから、よりどりみどりだよ。それとも」
ニヤリと笑う男。
「いつでも俺に連絡してこいよ。その身体の気持ちいいところは知り尽くしてるんだ」

---

かつての俺の身体が出ていった後、俺はベッドの上でへたり込んでいた。
これからは、俺が双葉。
夢にまでみた憧れの双葉の身体。魅力的で、なんとしてでも俺のものにしたいと思っていた身体。
その体は、文字通り「俺のものになった」。
これからはいつでも、見たい時に見られる。触りたい時に触れる。その触る手すら、双葉の手なのだが。
俺はそっと、自分の長い髪に右手をやる。細くて長い髪。ふんわりと、双葉のいい匂いがする。

俺はあいつに渡された、ペアの「入れ替わりの指輪」を見ながら、これからのことを考え始めた。

プロフィール

みなづきななな

Author:みなづきななな
皆月なななです。 TSF(男が女になっちゃう)小説を書いています! Twitterもよろしくね https://twitter.com/nanana_minaduki

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