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相性抜群

「あっ、あああっ、ああん……もっと、もっと、もっと突いてっ♡気持ちいいっ♡」
部屋に亜衣の喘ぎ声が響く。俺はバックの体勢になった亜衣を後ろから突いていた。
「亜衣っ……俺、もうっ……」
「うん、広樹、いいよっ、一緒にイキたいっ、あっ……はっ♡」
俺が亜衣の中に精液をどくどくと流し込むのとほぼ同時に、亜衣はピンク色に染めた身体を小刻みにひくひくと痙攣させた。そのまま、亜衣と俺は倒れこむ。
少し前まではこんな事になるなんて、考えてもいなかった。亜衣には他に彼氏がいた。それに、俺の恋心なんて亜衣には関係ないと言わんばかりに亜衣は俺のことをほとんど無視していたのだ。
それが、今や。
「ねえ広樹、すごい気持ちよかった……♡」
亜衣が俺を潤んだ目で見つめる。
俺と亜衣は週に何度も会って、その度にこうして亜衣の家に行き、2人でセックスを繰り返している。それ以外の面でも、亜衣と俺は妙に相性がいい。価値観も合うし、まるで昔から付き合っていたみたいに息が合う。
こうなったのには、少し不思議ないきさつがある。俺自身まだ不可解なのだが……

───

話は1ヶ月前に遡る。俺はため息をつきながら親友である雅和に相談していた。
「と言うわけでさ、亜衣ちゃんは俺のこと無視してるんだよ……俺が亜衣ちゃんのこと好きって分かってるとは思うんだけど」
「広樹、それはいわゆる『脈なし』ってやつだなあ」
「そうかもしれないけど……でも俺、諦めきれないんだ」
真剣な口調でいかに亜衣ちゃんのことが好きか語る俺に、雅和は顔をしかめて頭をぽりぽりとかくとこう言った。
「面倒くせぇ奴だなぁ。じゃあさ、お前、1回くらい亜衣ちゃんとセックスできたら諦めて次行くか?」
「え?」
「亜衣ちゃんには彼氏もいるみたいだし、どう考えても脈なしなんだからさ。記念に一回セックスして、それで終わりにして次に行ったほうがいいよ」
「ちょっと待てよ!確かに亜衣ちゃんとその……してみたいとは思うけど、それが出来たら苦労はしないって」
俺がそう反論すると、雅和はニヤリと笑った。
「お前が本気ならオレがひと肌脱いでやってもいいぜ」
「ひと肌脱ぐって……一体どうするんだよ?亜衣ちゃんに土下座でもして頼むのか?」
「ははは。まあ、それは企業秘密ってやつかな。とにかくオレに任せろって。それで、もし亜衣ちゃんとセックスできたら、もう亜衣ちゃんとは諦めて次に行くんだぞ」
「あ、ああ……とにかく、お前を信じてみるよ」
俺は雅和のことを小さい頃からよく知っている。夢中になると自分で抑えが効かなくなってしまうところはあるが、見込みのないことの安請け合いをするような奴じゃない。今回も、何か勝算があるはずだ。俺は頷いた。
「サンキュー広樹。……それに、オレも女としてのセックスに興味あるしな」
「ん?何か言ったか?」
「いやなに、こっちの話だ」
最後の雅和のセリフは聞き間違いかもしれない。よく意味がわからないので、そのことはすぐ忘れてしまった。

───

広樹のやつ、亜衣ちゃんにそんなに惚れ込んでたのか。
ここらで秘伝の技、ご開帳としますかね。人助けのためなら使っていいんだもんな。
まずはオレと亜衣ちゃんの身体を入れ替えて……。
亜衣ちゃんには自分のことをオレだって思い込ませるように、催眠術でもかけとくか。
ま、亜衣ちゃんには申し訳ないが……広樹にとってはいい記念になるだろ。

───

数日後の休日。俺の家の玄関のインターホンが鳴って、玄関に立っているのが亜衣ちゃんだとわかったときには驚いて腰を抜かしそうになった。
「なっ、なんで亜衣ちゃんがここに?俺の家の場所、どうして分かったの?」
俺の疑問を受け流すかのように亜衣ちゃんはニヤリと笑って言った。
「広樹……いや、佐藤くん。部屋、こっちだよね」
そう言いながら、亜衣ちゃんは靴を脱いで、行き慣れているといった風に俺の部屋のある二階への階段を登り始めた。
もしかして、雅和のやつが本当に頼んでくれたのか?それにしたって、なんで俺の部屋の場所まで知ってるんだ……?
もちろん亜衣ちゃんが俺の家に来るなんて初めてのことだ。
俺は訝しがりながらも亜衣ちゃんのあとをついて階段を登ろうとした。が、亜衣ちゃんがスカートを押さえようともしないので、下にいる俺からは制服のスカートからスラリと生えた白い足、そして下着が丸見えだ。
俺のことを見もしないで、階段を上がる亜衣ちゃんが楽しそうに言った。
「見えてるでしょ?」
「な、なにが?」
「とぼけたって無駄だよ、パンツだよ?縞パンあったから穿いてきた。見せてるんだから♪ちゃんと見てる?しっかり目に焼き付けときなよ」
俺は頭の中が混乱しながらも、下着から目が離せずドキドキしていた。

俺の部屋に入ると、亜衣ちゃんはベッドの縁に腰掛けた。
「となり座って。佐藤くん」
俺は言われるがままにぎこちなく亜衣ちゃんの隣に座る。
至近距離にいる亜衣ちゃんの髪からなのか、身体からなのか、とても良い匂いがして俺は頭がおかしくなりそうになった。
「ねえ、オレ……じゃなかった、あたしとセックスしたいんでしょ?」
「えっ!?あ、亜衣ちゃん何を……」
「いいのいいの、顔に書いてあるよ?『大井亜衣のことが大好きだ、ヤりたい』って」
「そんな……」
俺がいいかけたところで、亜衣ちゃんがニヤニヤしながら俺の股間をズボン越しに撫で回してきた。
「そんなことない、なんて言わないよね?こんなに膨らませちゃって。この身体の匂いだけでチンポガチガチにしてるの?いい匂いだもんねぇ、ふふふっ」
亜衣ちゃんはそのまま慣れた手付きで俺のベルトを外し、ズボンの中に手を突っ込んで下着越しに俺の息子を軽く撫で回し続ける。
「亜衣ちゃん……ううっ」
亜衣ちゃんの口から「チンポ」などという言葉が発せられたことに驚きつつも、さらに興奮してしまう。
「ははっ、もっとでっかくなってきた……亜衣ちゃんの口から『チンポ』なんて言ったからそれで更に興奮したってとこか?」
「はあ、はあ……亜衣ちゃん?」
「ううん、こっちの話。ほら、あたしのことも脱がせて?」
もう何も考えられなくなってきている俺は、言われたままに亜衣ちゃんの制服のブラウスのボタンを一つ一つ外していった。
スカートも脱いで上下の下着だけになった亜衣ちゃんがベッドから立って、俺の方を向く。
「ほら、広樹。これが正真正銘、本物の大井亜衣の下着姿だよ。エッチな身体してるよね。一生の思い出になるね」
そう言ってゆっくりと一回転してみせる亜衣ちゃん。
すでにズボンを脱いでいる俺は、その一挙手一投足ごとに股間を硬くさせていた。
「あはっ、もうビンビンじゃない♪ひと肌脱いだかいがあったなぁ」
亜衣ちゃんは満足げに言うと、ベッドに腰掛けている俺と向き合う姿勢でまたがって、俺の首を抱くように手をかけた。
「どうする?広樹?ここまで来たらもうやることはひとつしかないよね?」
俺は絞り出すように声を発する。
「き、キスしていいかな……?」
途端に亜衣ちゃんの顔が曇る。
「うーん、キスかぁ……ごめん、キスは無しだな」
「えっ」
「ちょっと気持ちの整理つかなくて。……でもそのかわり、こっちで楽しもう?」
亜衣ちゃんはそう言うと、俺にまたがった状態で下着越しに、下半身を俺の股間にぐりぐりと押し付けてきた。
「あううっ」
俺は情けない声を出してしまう。
「気持ちいい?でもここで出しちゃったらもったいないよねえ?ふふ」
くすくすと笑いながら、亜衣ちゃんは自分の下半身を俺の息子に押し付けて動き続けている。
「で、でも、どうすれば……」
頭の中が興奮でヒリヒリする。亜衣ちゃんは動きを止め、余裕のある笑みを浮かべながら俺の耳元に口を近づけて囁いた。
「ブラ取って……♡」
いたずらっぽい、天使の声。俺はぎこちない手で、亜衣ちゃんの背中に手を回してブラのホックを外す。
ふるん、という音がしそうなほどの弾力を持って、白く、柔らかそうな亜衣ちゃんの乳房があらわになる。
「ふふふ、どう?亜衣ちゃんの……あたしのおっぱい、大きくて形いいよね。広樹に触らせるの勿体無いぐらいだ。この、ピンク色の乳首もつん、って感じで……ふふ、見てるねぇ。もっと見ていいんだよ?」
言うまでもなく俺は亜衣ちゃんの胸に目が釘付けになっていた。
「あたしも触っちゃおうかな……あっ♡感度もすげぇっ……♡」
亜衣ちゃんは自分の手で胸をもみ、指で乳首をコロコロと弄んだ。
「亜衣ちゃんっ……」
「亜衣って呼んでいいよ、今日だけ」
「……亜衣、俺、もうっ……」
「きゃっ♡」
俺がベッドに押し倒すと、亜衣ちゃん……亜衣は待っていたかのような嬌声をあげた。
「広樹……じゃ、セックスしようか♡大井亜衣を好きにしていいんだよ♡」
亜衣の白い肌は興奮で少し紅潮していた。

俺は無我夢中で亜衣のおっぱいに顔を埋め、乳首のまわりをペロペロと舐めはじめた。
「あっ……ひっ!?」
亜衣の身体がびくん、と大きくのけぞる。俺はさらに乳首に吸い付いた。
「あっ……ひぅっ……やべ、じぶんでさわるのっ、と、ぜんぜ、ん、ちがぅ……っあぁ♡ああん♡」
ひくひく、と今度は細かく亜衣が痙攣する。
「はぁ、はぁ……軽くイッた、かも……乳首だけなのに、この身体、すげぇよ」
荒く息をつきながら、先ほどよりも身体をほてらせた亜衣が言う。
「亜衣……」
「し、したもぉ……頼む♡お願い♡」
亜衣が涙目になりながら俺に懇願する。はじめの余裕ある態度と違い、快感で何も考えられないという風だった。
俺は、はやる気持ちを必死に抑えながら亜衣のショーツをするすると脱がせにかかる。ショーツがぐっしょりと湿気を帯びているのがわかる。
「亜衣、すごい濡れてる」
「……恥ずかしいから言わないでぇ……」
かぁっと亜衣の顔が赤くなり、本当に恥ずかしいのか手の甲で顔を隠す。
その動作が普段の自信ありげな態度の彼女とはあまりに違いすぎて、俺は興奮してしまう。
「広樹、もう挿れてぇ……さっきからウズウズしちゃって、我慢できない……」
すでにジュルジュルと音が立ちそうなほどに亜衣の股間が濡れて、シーツまで濡らしているのは俺からも見て取れた。
「じゃあ……挿れるよ」
「ひゃあん♡あっ……入ってきた……腹ん中……こんな感覚なの……おっ♡ふぅっ♡」
俺が自分のモノを入れると、亜衣は目を潤ませながら悶えた。まるでセックス自体初めてみたいに。
「亜衣、なんかすごく可愛い」
「え、オレ、今どんな表情してる……?」
「そこに鏡あるから見てみなよ」
そう言って俺はベッドの横にある姿見を指差す。ちょうどその先には、先程から痴態を晒して顔を桜色に染めた亜衣の顔があった。
「な、なにこれ、可愛すぎっ……あぁん♡ちょ、動かないでぇっ♡はなし、てる、とちゅうだからぁっ♡♡」
亜衣の話も待たずに俺はゆっくりと前後に動き始める。亜衣の中の愛液は止まることを知らず、俺はそれを潤滑油に少しずつ動きを早めていった。
「広樹っ♡気持ちいっ……いっ♡」
俺はそれに応えるように動きながら、亜衣の栗色の髪を撫でる。
「広樹っ♡あっ♡チューしてっ、ほしい♡」
亜衣は息も絶え絶えになりながら俺の頬を撫でる。
「亜衣、でもさっきは」
「もういいの♡女の子に気持ちが染まってきちゃったかも……んっ……♡」
亜衣の唇を即座にふさぐ。柔らかで艶やかな女の子の唇の感触を味わいながら、前後に動き続ける。
「ふぅっ……♡はっ……♡んんんっ!んんっ♡んんっ♡」
亜衣が先程までと違う喘ぎ声を出したかと思うと、俺の背中に回していた腕に力が入るのがわかる。俺のモノを包み込んでいた亜衣の秘部がぎゅっと締まり、その後小刻みに痙攣する。たまらず俺は亜衣の膣内に精子を放出した。

───

「ねぇ、広樹、もっかいチューしよ」
「亜衣、何回めだって」
おそらく十数回目の「おねだり」に俺も少し引いているほどだ。さっきまでキスを拒否していた亜衣が今では抑制が効かなくなったように俺にキスをねだってくる。
「だって、女の子のエッチがこんなに気持ちいいなんて思わなかったんだもん」
えへへ、と亜衣は笑う。かわいい。
「それって、彼氏とあんまりその……相性が良くないってこと?」
「彼氏?あぁ〜、そういえば彼氏いたんだっけな……面倒くせぇ」
顔をしかめて頭をぽりぽりとかく亜衣。ん?その表情、その仕草、どこかで見たような……。
次の瞬間、亜衣が言う。
「まぁ、別れてくるよ♪」
「へっ?」
「気心知れた方が付き合いやすいし。オレにとっては思い入れもないしさ。それじゃこれからよろしく、広樹」
「亜衣?え、いいの?一回だけだってことかと思ってた。それに気心知れたって、俺のこと?」
「え、そりゃ、その……あ、気づいてないのか。まあ今の忘れていいよ。亜衣ちゃんとオレの身体が入れ替わってるなんて言っても信じないだろ?」
「え、な、どういう……あれ……お前もしかして、雅かz」
俺が言うか言わないかのうちに、亜衣のカタチをしたものが言う。
「お前は今思ったことを忘れる。目の前にいるのはお前の愛する大井亜衣だ。雅和ではない」
「はい」
……俺が言うか言わないかのうちに、あれ、俺は何か今言ってたか?はい、って返事をしたのかな。何に対してだ?
「どうしたの、広樹?」
亜衣が大きな瞳をこちらに向けてニコニコしながら言う。ああ、亜衣は本当にかわいい子だなぁ。
「なんでもない。それより、本当に付き合ってくれるの?」
「うん♡もう前の男の身体のことなんてどうでも良くなっちゃったから」
前の男の身体……。前の彼氏とは身体の関係になっていた、ということか。それにしても、亜衣ちゃんと本当に付き合えるなんて。俺もとても嬉しくなる。
「ねぇ、それで、広樹」
「なに?亜衣」
「勃ってるの当たってるよ?もう一回する?♡」
また目を潤ませて言う亜衣を、俺は抱きしめた。

───

というわけで、ちょっと唐突ないきさつで俺と亜衣は付き合いはじめたのだった。
親友の雅和は、といえば、俺が亜衣ちゃんと付き合い始めたことを報告すると、
「うーん、おめでとう……?」
「なんで疑問符がつくんだよ!」
「いや、なんかすごく抵抗感があるんだよな……そんなはずじゃなかったみたいな……」
「何だよそれ。元はと言えば、お前が亜衣ちゃんに頼んでくれたんだろ?」
「何をだ?全然記憶にない」
「うーん、そうなのか」
「それよりさ、亜衣ちゃんとのセックスってどんな感じなんだよ?」
「亜衣か?それはさ……」
「マジで?すげぇ〜エロっ!オレ、それでシコるわ」
「やめろよ、俺の彼女だぞ!」
「いいじゃねぇか、亜衣ちゃんの痴態聞いてたら興奮してきた……あれ?なんかオレ、何でかわからんけど亜衣ちゃんの裸想像できるわ」
「見たことないだろ!」
「まあそりゃな。想像上の亜衣ちゃんの裸。ははっ」

とまあこんな調子で、雅和も全く知らぬ存ぜぬどころか、この前した会話のことすら覚えてないようなのだ。
そればかりじゃなく、俺との思い出も言われないとピンとこないような感じだし、この前は女子トイレにフラッと当たり前のように入っていこうとするし、挙げ句女の下着屋の前で立ち止まってガン見するし……俺が止めたからいいものの、ちょっと最近の雅和はおかしい。

その間にも、俺は亜衣との愛情を深めていった。亜衣は俺の好きなものを本当になんでも分かってるみたいだ。身体も心も、相性抜群。まるで昔から付き合ってるみたいな安心感があった。

「ね、今何考えてるの?」
そんなことを歩きながら考えていると、一緒にいた亜衣が横からひょこっと顔を出す。付き合い始めた時と違って、今は髪型が変わっている。なんでも「前からこっちの方が似合うと思っていた」そうだ。

「何でも。帰ったらすぐ亜衣とヤりたいなって」
「もぉ、エッチ」
亜衣はじとっと俺をみてから続ける。
「今日さ、広樹の好きそうなコスプレ衣装いくつか用意したから。前に彼女できたら着てもらいたいって言ってたでしょ?」
「え、確かに着てもらいたいけど……亜衣に言ったことあったっけ?」
「……細かいこと気にしないの!さ、行こっ♡」

亜衣と俺は、亜衣の家に今日も急ぐ。
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あばたもえくぼ

日本中を混乱の渦に飲み込んだ「男女シャッフル災害」……あの日から、もう一年が経とうとしている。
あの日、あたしは付き合っていた彼氏の身体に魂が入ってしまった。以前のあたしであれば、何を言ってるの、と一笑に付していたと思う。
でも、災害後は研究が進み、魂が他の身体に入ってしまう現象がある一定の条件下で稀に起こりうる現象であることは日本の、いや世界の常識となっていた。

今回の現象は本当に突然起こった。
あたしはその時会社のOLとして働いていたのだが、目の前が一瞬だけふっと暗くなったかと思うと、気づけばオフィスにいた。それも、彼氏の席に座っていた。当時彼氏と付き合っていたことは社内に黙っていたので、とても焦って思わず立ち上がってしまった。でも、なんとなく見下ろすデスクの位置が高い。いや、身長が高くなってる?
思わず、今日そんなに高いヒールの靴を履いてきたっけ、と足元を見ると、あたしは自分がスーツを着て男が履くような革靴を履いているのに気づいた。
「どうして……えっ!?」声を出そうとすれば低い声しか出ず、何度も咳払いをした。同じように咳払いをする声があちこちから聞こえた。

その後のことは日本中が知っている。テレビをつけると無精髭を生やしたテレビ局のAD風の男が眉をひそめ、深刻そうな顔で足を揃えて倒し、いわゆる「アナウンサー座り」をしながら原稿を読み上げていた。後で聞いたところではそれは「元」某局の美人で有名なアナウンサーだったそうだ。

原因は不明であるがどうやら、都内で男女が他の異性の身体に入っている状態にあるのではないか、とその男が言うと、やだ、嘘ぉ、とあちこちで悲鳴のような野太い声が挙がった。
政府も当初機能しなかったが比較的対応は早く、夫人の身体になってしまった総理が非常事態宣言を出し、事態の収拾に向けて全力を尽くすことを発表した。

分かってきたことはいくつかある。
まず、今回の災害は、男は女の、女は男の身体に入る形で起こっているということだ。
また、もともと知り合いではない人間の身体に入ることはなく、全て知り合いの異性の身体に入っているということ。
そして、これはAさんとBさんの身体が「入れ替わる」のではなく、AさんがBさんに、BさんがCさんに、Cさんはまた別の誰かに、というような「魂のシャッフル」によって起こっているということ。
そしてこの現象が日本全土に広がっていることだ。

「なにぼーっとしてるの、結衣」
あたしの肩を短髪の長身の男が軽く叩いた。
「ああ、美優」
「もしかして、あの日のこととか考えてた?」
「なんで分かるの?」
「そりゃそーよ。あたしと結衣、何年付き合ってると思ってるの」

女言葉で話す男、というのが違和感があるかもしれないが、今の日本ではかなり普通のことになってしまった。今の世の中、「男はこう」「女はこう」という決まった価値観はほとんど存在しない。そういうあたしも彼氏の身体になってからも女言葉で話しているし、元男──いまの世の中では「女」と呼ぶのだが、いまの女もかつての男言葉を話す人が多いのではないだろうか。でも、女言葉で喋っている女もいる。かつての男言葉、女言葉なんていう価値観は今は消滅してしまったような気がする。

美優、と呼ばれた男は、「連れションしようよ」とにっこり笑った。

「あ、結衣、またおちんちん大きくなったんじゃないの?」
「ちょっと、覗き込まないでよ……」

男同士もこんな会話していたのだろうか?そうは思えないけど、男になって良かったかなと思うことの一つが立って用を足せることだ。

美優がいたずらっぽい目をして言う。

「もしかしてさあ、『彼女』に揉んでもらってるから大きくなってるとか?」
「え、女の胸じゃあるまいし、そんな事ってあるのかなあ」
「わかんなーい。大体、あたしたち女だった頃、別に彼氏に揉んでもらっても大きくなったりしなかったでしょ」
「もう美優、変な冗談やめて」
「あはは。でももう男の身体にも慣れてきたよね」

美優は快活に笑うと、アソコをプルプルと振ってそのままズボンのチャックを上げた。たしかに、馴染んでいる。あたしはそこまで豪快になれず、小便器の横に設置されているトイレットペーパーを小さく切ってアソコの先端を綺麗に拭き、専用のゴミ箱に捨てた。昔はこういったトイレットペーパーはなく、男はみんないまの美優のようにしていたそうなのだが、今の男性はそれがどうしても嫌という人も多く、設置されたのだという。

「でもさ結衣、リアルな話、男の方がいいと思わない?」
「えっ、そう?」
「だってさ、男の身体って力あるし。それに、今の雑誌のグラビアとかさあ、みんな本当に前男だったの?ってぐらい笑顔もエロ可愛く作っててさ、男に超媚びてんじゃん。この子たちも前はオッサンだったんだよね、とか思って。あたし見ただけでマジで興奮してさ、フルボッキしちゃうよ」
「ちょっと美優!」
「いいじゃん、誰もどうせ聞いてないよ。女だった頃はなんで男ってああなんだろって思ってたけど、今は男の気持ちわかるよね。ま、もう男だから当たり前なんだけど」

そういうと頭をかきながら、美優はあはは、と笑う。
美優、あんたは良いよね。美優は今や、会社でも一番イケメンと言われていた男の身体になっている。そんなに好きでもなかった前の彼氏(親戚の女子●学生になってしまったらしい)とあっさり別れて、自分に尽くしてくれる女の子──もちろん、元は男だけど──を見つけて付き合って。全てが順調じゃん。

「結衣、今度男子会しようよ。彼女のこととか聞きたいし。だってさ、唯香のいまの彼女って……」
「その話はもういいって」

あたしは美優の言葉を遮る。わかってる。美優はあたしのことを心配してくれてる。

「結衣」
「美優、あたしは今の生活で満足してるよ。この前も言ったじゃん」
「でも」
「わかってる……心配してくれてありがとう。でもね、もう少しだけ時間が欲しいかも」

あの日以来、この国の人たちは自分の生活を守ることで精一杯だ。美優のように全てがうまくいっている男に、あたしの心配をされること自体が少し腹立たしかった。
それに、あたしの今の生活はとても人に語れるようなものではないような気がする。

人の心なんて、結局身体的なものだったんだ、と思う。今のあたしにはそれが痛いほどわかる。



あたしはマンションのドアをばたん、と閉めて中に入る。

「あ、おかえり……」

と言ってにっこり笑う美優。いや、違う。美優はさっきまで会社で話していた男だ。美優に見えるこの女の子は、あたしの彼氏だった男──康介だ。康介はいまや、あたしの友人の美優の身体に入っていた。

この笑い方はあたしが調教した。美優にそっくりになるように、笑い方、振る舞い方、表情、口調、メイク、全てを教え込んだのだ。最初は嫌がっていた康介だったが、「言うことを聞かないならもう別れる」と言ったらしぶしぶ従った。それからというもの、康介はあたしといるほとんどの時間を美優を演じて過ごしている。

美優が康介のことを好きだったと言うことは、実は薄々知っていた。
でも、知らないふりをしていた。わざわざ女同士の貴重な友情を壊すほど、お互いバカじゃなかった。
今や、あたしは康介になった。康介は美優になった。

「気持ちは身体に引っ張られる」──そんなことがあの日以降、よく分かってきた。康介になったあたしは、美優になった康介に対して恋愛感情がない。確かに美優は美人だ。そして、中に入っているのはあんなに好きだったはずの康介だ。でも、「愛しい」という気持ちは、あたしの場合は、残念だけど全く感じなかった。

「ねぇ結衣、今日はどうするの」

康介が美優の声帯を使って、発情期のメス猫みたいな甘ったるい声を出す。康介はあたしのことがまだ好きなのだ。でもそれは、康介の元の感情とは別の感情なのだろう。
康介は美優の身体に入り、美優の気持ちに引っ張られているだけだ。
美優は康介のことが好きだった。今の康介が今のあたしに抱いている恋愛感情は、かつて美優が康介に感じていたものなのだ。

「とりあえず、着替えていい?」

と、あたしは言った。美優の顔をした康介は頷く。あたしはクローゼットから、あたしが選んでおいた「スカート」や「ブラウス」、それに「女の子の下着」を取り出し、おもむろに着始める。手際よくストッキングを、すっかり男っぽくなってしまった脚にスルスルと穿く。軽くメイクをする。そして昔のあたしみたいな髪型のウィッグを被る。
そう、あたしはこうして、女に戻る。「女装」をしている間だけは、自分を取り戻すことができるように感じていた。結衣でいられるような気がした。

「どう?あたし可愛い?」
「う、うん!元の結衣みたいな感じでかわいいよ」
「……やめてよ、そういう見え透いたお世辞」
「ほ、本当だってば!」

康介の身体になってからというもの、女装するために筋力をなるべく落とすようにはしているが、元々水泳部だった康介が鍛えていた身体だ。体格が全然違うのだからそんなに簡単にあたしみたいになるわけがない。

それにしても。
彼氏は元の自分の身体をあたしに使われ、こんな風に化粧して女装されて何を思っているのだろう?

「結衣……」
「なに?美優」
「こ、今度さ、女子会しよう。あたし彼氏のこととか知りたいし」

あはは、とあたしは笑った。そうきたか。

「それさ、今日本物の美優も同じようなこと言ってたわ。もうだいぶ本物の美優に近づいてきたんじゃない?」
「ほ、ほんと?うれしい……あれ、うれしいはずなのに、なんであたし泣いてんだろ?おかしいな」

康介は泣きじゃくっていた。元の美優は気が強くて、こういう風にメソメソしたりしない。あたしはいつも励まされる側だった。それが今は、中身が男だったとは考えられないぐらい、女の子だ。

「美優」の姿をしたそれは、泣きじゃくりながら言った。

「あたし……俺、なんかどんどん気持ちが女の子になってるみたいで……結衣、俺どうしたらいいのかな?でも結衣のことはまだ変わらず好きなんだよ、なあ結衣」
「『美優』、口調。男みたいだよ。本当にもう来るのやめるよ」

脅しではなく本気だった。男口調で話す「美優」には用はなかった。

「……ごめんなさい、ごめんなさい。あたしは美優です、ずっと唯香の友達でいたいの、友達でいいから」

泣きながらあたしの腕にすがる康介を見ながら、女装したあたしはガチガチにボッキしていた。いつも強気だった「美優」を泣かせているという倒錯した征服感があたしを支配していた。
ねえ康介、男って女の子にどうしてもムラムラしちゃうんだね。たとえそんなに好きじゃなくても。

いつしかあたしの股間の膨らみは、スカート越しでも充分わかるぐらいになっていた。康介は泣き止み、その膨らみをじっと物欲しそうに見つめる。
あたしは無言でスカートをめくり、せっかく穿いたストッキングを下ろす。今のあたしにはあまりにも窮屈になってしまったショーツを下ろして勃起したアレを露出させる。

「ほら、舐めていいよ」

美優の身体の彼氏にあたしのチ◯ポを咥えさせ、舐めさせる。康介は涙を軽く手でぬぐうと、ひざまずき、嬉しそうに赤い舌をチロチロと出しながら舐めはじめる。

挿し絵1

「あっ……それ、気持ちいい……よくあんた、元男なのに自分のち◯ぽそんなに美味しそうに舐められるよね」

かつてあたしの彼氏だったものは上目遣いであたしを見上げて、目線を細めて媚びた笑いを向ける。だって、結衣のこと、好きだから。その目はそう言っているように見えた。
康介、それはあなたの元の感情じゃなく、美優のあなた自身に対する感情なのよ、と言いたいのをいつも堪える。

じゅぽっ、じゅぽっ、という湿った音が部屋に響く。元自分の身体だけあって、康介はあたしの身体のどこが気持ちいいか全部知り尽くした動きをしている。あたしはこの時ばかりは、スカートを持ち上げながら感じるしかない。

「あっ、もういきそう……」

あたしがそう言うと、康介は一瞬少し怯えたような目をして、反射的に口をあたしのチ◯ポから外してしまう。あたしはそのまま、精液をドクドクと美優の顔じゅうにぶちまけた。

「あーあ、何やってんの?いつもちゃんとごっくんしろって言ってるでしょ」
「ご、ごめんなさい……まだあたし慣れなくて」

流石に元自分の精子を口に入れるのに抵抗があるのだろうか。でも、顔にぶちまけられるのもそれはそれで屈辱だとあたしは思うけど。

あたしは近くにあったティッシュで軽く先端を拭き取ると、メイクを落とし、再び着ていたスーツに着替えはじめた。

「結衣、今日は挿れてくれないの?」
「あー、今日は疲れたから」
「……うん」

あんたも元男だったらわかるでしょ。男は射精したら好きでもない女のことなんてどうでも良くなっちゃうって。
きっと康介は欲求不満で、あたしのことを思いながら美優の身体を使ってオナニーでもするのだろう。そしてどんどん美優に染まっていく。

「ま、また来てね、絶対……今度はあたし、もっとうまくやるから。もっと美優らしく……あたしらしく振舞うから」
「わかってる、愛してるよ」

と言って額にキスすると、康介はぱあっと美優の顔を明るくする。
こうしておけば、まあ大丈夫だ。もちろん、愛してるなんて真っ赤な嘘だけど。康介自身もきっと、気づいていて騙されたフリをしてる。

「また、あたしのところに戻って来て欲しいの!あたしずっと待ってるから!結衣、愛してるの!」

気が向いたらね、とあたしは答える。
あたしはあたしの家に帰ることにした。



家に帰ると「あたし」が先に帰っている。今日もまた元のあたしなら着なかったような、エッチな下着だけを着ている。

「結衣ちゃんおかえり。さみしかったよお、なんつって」

あたしの顔をニヤニヤと歪めながら、そいつは言う。

「結衣ちゃん、この下着さぁ、似合うだろ?こういうのもそそるだろ?結衣ちゃん、なに着ても似合うよな、エッチな身体になれて俺も嬉しいよ、結衣ちゃんになれてから毎日楽しいよ、うひひ」

あたしの身体には、職場であたしが最も嫌悪していた上司のシモザワが入っていた。
下品なことばかり言うので職場でも嫌われていた男で、あの年で結婚もしていなかった。

シモザワがあたしの身体に入っている──その事を知った時は、発狂しそうなほどショックだった。でも、実際会ってみたら、愛おしいと言う気持ちが溢れてしまった。彼氏の康介が、あたしのことを愛していた結果だ。身体に引っ張られて、中身がシモザワだと頭では分かっているのに、あの日、最初にあたしの顔を見たとき、反射的に思わず抱きしめてしまったほどだ。

「今日もおれ、結衣ちゃんの性感帯開発してたよ」

ニヤニヤとあたしの姿をしたシモザワが言う。愛おしいのがくやしい。中身は元々あんなに嫌悪していたあのオッサンだって分かっているのに、この康介の身体があたしのことを好きすぎて、興奮してしまう。
シモザワもシモザワで、あたしの体になってからと言うもの、康介の身体になったあたしを見るとどうしようもなく胸がキュンキュンしてくるらしい。

「結衣ちゃんには会社でエッチなこと言ってからかってれば十分だったんだけどさ、なんでだろう、今は結衣ちゃんのことひとりじめしたいっていう気持ちが湧いてきちゃうんだよ、あふっ、やわらけー、気持ちいい」

シモザワはあたしの胸を揉みながら言う。

「今日も結衣ちゃんのち◯ぽ挿れられるのを想像しながら何度もイっちゃったよ、ふふふ」

外見上は元のカップルのように見えるあたしたちだが、彼氏の康介の方に入っているのはあたしで、あたしの体にはあたしがあれほど毛嫌いしていた50代のオッサンがはいっているのだ。それでも、感情面では悔しいけど好きと言う気持ちをおさえきれなかった。

笑いながらシモザワはあたしの身体でポーズをとって放屁した。あたりに音が響く。

「あっ、くせっ!うひひ」

あたしの姿でそんなことをしないでほしい、と理性はあたしに訴えかける。その一方で感情は「飾らない君も可愛くて素敵」と押さえつける。恋は盲目とはよく言ったものだ。

「オナラもくせぇし、結衣ちゃんでもウ●コはするんだよなあ。はじめて結衣ちゃんの身体でウ●コした時のこと今でも思い出すよ、1時間は結衣ちゃんのウ●コの臭い嗅いでたもん俺、けつ拭くのも忘れてさ!ギャハハ!」

何回めかのシモザワの同じネタ。よほど嬉しかったのだろう。それを聞き流しながらあたしは、「あたし」のエロい下着に包まれた身体を見て興奮していた。

「なんだぁ、もしかしてもうしたいのか?いやぁ、モテる女はつらいねぇ、うっふん」

シモザワはクネクネしながら言う。姿かたちは完璧な女の子なのに、まるで女のフリをした男みたいだ。

「まあ、俺ももうおまんこ濡れ濡れだからさ、シャワーもいいよな、早くやろうぜ」

アイツはあたしの顔で下卑た笑いを浮かべた。当たり前だが元のシモザワと同じような笑い方で、あたしはその笑い方が心底生理的に嫌いだったのだが、今ではそれすら愛おしく感じてしまう。あばたもえくぼ、とはよく言ったものだ。



ベッドに直行する。康介とあたしが、何回もいっしょに寝たベッド。そこで康介になったあたしと、あたしになったシモザワは、この一年で数え切れないほどセックスしていた。

無言であたしは元自分の身体を押さえつけながら突き上げた。身体の相性も抜群にいい。美優と違って。それは本当に腹立たしい。

「あんっ!今日溜まってるんか?激しいわ、嫌いじゃないけどな、ひぃ、ひぃっ」

あたしの身体を火照らせながら、目を潤ませ快感に溺れながら、俺をもっとめちゃめちゃにしてくれぇ、もっと突いてくれえ、などとよがっている。

挿し絵2

あたしは目の前の女にさらに快感を与え続ける。この女の子のことが愛おしくて仕方ない。守りたい。そんな感情が身体の奥底から湧き出てきて、あたしは心底、あたしのことを好きだった康介のことを恨む。

「あっ、あっ、あっ、やだ、結衣イっちゃう、イっちゃうのおお !!」

シモザワは、絶頂の時だけ女言葉になる。
あたしの身体がそうするとより興奮するのを知ってるからだ。
あんたは結衣じゃないでしょ。あたしが結衣なのに。頭ではそう思うが、康介の身体は反応してしまう。あたしの膣内であたしはペニスをもっと固くさせた。あたしの膣がきゅうっ、と締まって、ぴくぴくと身体全体が震える。

「ひぃ、ひぃ、イったぁ〜!」

プシャアァとあたしの身体はお漏らしする。これも毎回のことだ。元のあたしだったらこんな事絶対しないのに、いつも「結衣ちゃんの身体、イったあとコントロール効かなくなっちゃうんだよ」とか言われる。そんなこと絶対ないのに。

はあ、はあ、と荒い息をつきながら、あたしの姿をした中年男が全裸で仰向けになる。
ふわっ、とあたしの汗のにおいがする。

ああ、本当にこのにおいは好きだ。あたしって、こんなに良いにおいだったなんて、女の時は感じなかった。康介の身体になったあたしが、康介の鼻腔で感じるあたしのにおいが特別なのだろう、と思う。
身体の生理的な幸福感には抗えない。そのにおいを発しているあたしの中身が中年男だとしても。

あの日以来、あたしたちの生活は、社会は、ずいぶんと変わってしまった。

あたしの顔をした変態中年男。あたしの大嫌いだった上司。それが今や、女になって、目を潤ませ、ニヤニヤと楽しそうに笑いながらであたしに話しかける。

「結衣ちゃん、子供作ろうね、俺、ちゃんと産むからさ、うひひ。結衣ちゃんの身体で、結衣ちゃんの子宮で、結衣ちゃんのザーメンを中に思いっきりぶちまけられてさ、結衣ちゃんの子供を産むからさ。だからもう一戦しようよ、俺のまんこにもっと結衣ちゃんのザーメン注いでよぉ」

あたしはまた自分が勃起するのを感じながら、愛おしさと憎らしさであたしを強く抱きしめた。

(文:皆月ななな)
(イラスト:野苺さくらさん)

こちらの作品は皆月ななな支援所 投げ銭プラン限定企画「投げ銭プランの方限定でSSリクエストを募集します」により飛龍さんのリクエストを頂き作成しました。

幼なじみ

「おーい、朝だぞー」
亜子が今日もやってきた。
俺の幼なじみ。幼稚園からずっと同じクラスだ。
だが、俺はもうずっと高校に行ってない。

「いや、俺はもう、学校行く気ないから……ほっといてくれよ」
「ええっ、でも、学校楽しいよ?きっと行ったら楽しくなってくるよ」
心の底から心配した様子で亜子が言う。

ベッドに横になりながら、俺はほとんどその話を聞かずに亜子のことをぼーっと見ていた。
幼稚園の頃から見ていた亜子。
今もどこか幼い顔をしているが、高校の制服に包まれたその身体は幼稚園の頃とは違うのだと主張しているようだ。
特にその、ブレザーの上からでもわかる、胸が……。

「ちょっと!聞いてるの?」
亜子が怒ったように言う。

「うるさいなあ、そんなに言うなら亜子が俺の代わりに行けばいいだろ!」
その言葉を聞いて、亜子が不敵な笑みを浮かべる。

「ふっふ~ん。そう言うと思ってね。今日は私の能力を見せたいと思います!」

「えっ?」

と、思っている間に視界がぐるん、と回る。
ジェットコースターみたいに、一回転。

気づくと俺は、俺を見ていた。
「えっ?えっ、何が、って、げほげほ!んんっ!」
なんか声が上ずって高くなってる。

「えっ!?な、なんか手が小さい!」
「何で俺が女子の制服着てるの?」
「俺の胸が!」
「なんでスカート……って下着まで!」
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「な、ない!ないーーー!」

視界の中の俺は俺が慌てる様子を楽しそうに眺めていた。

「ふふーん、身体を入れ替えてみました」
「お前、もしかして亜子か?ってことは、これは……」
「そう!私の身体です!!」
この上ないドヤ顔で答える俺。俺ってこんな顔できたのか。

「これ元に戻るのか?」
「戻しません!」
「戻しませんって、お前……」
「さっき言ったでしょ」
「え、な、何を……?」

「私が代わりに学校に行きます!!」

---

というわけで、亜子が代わりに学校に行ったわけだが。
まさか、あんなことになるなんて。

帰宅中に、道路に飛び出した1学年下の少年を助けようとした亜子――俺の身体はトラックにはねられてしまった。
即死だったそうだ。
その少年は、自殺するつもりだったらしい。皮肉なことで、その少年は助かったのだ。

俺との入れ替わりのことは誰にも言ってなかったらしく、俺は、亜子の身体で一生を過ごすことになってしまった。

5年後――

「ママ、行ってきまーす」
「亜子、気を付けて行ってくるのよ」
「大丈夫大丈夫!」

俺は、亜子のフリをして過ごしている。もう大学2年になった。
入れ替わった当初は戸惑いがちだった亜子のフリも最近は板についてきた。
今は自分が亜子だという気持ちで過ごすことができるようになってきた。
昔では考えられないぐらい、明るい女子大生を演じている。

あの頃は制服だったが、今では私服で学校に行っている。
亜子ならどんな服を選んだんだろうか。

「亜子、おはよう!」
「正樹、おはよう」
この大学生は、俺の身体の亜子が助けたあの男の子だ。
一つ年下なのだが、なぜ呼び捨てなのかというと、俺は正樹と付き合っているのだった。
あの事件があってからすぐ、正樹側からの猛烈なアタックがあって、思わずOKしてしまった。

俺としては、男と付き合うなんてごめんだったのだが、正樹だけは違った。
正樹といると、本来の自分に戻れるような不思議な感覚がするのだった。
「今日わたし、学校行きたくないよ~……」
普段誰にも見せない、俺の本来の姿。元気な亜子とは違う引きこもり体質の俺。

「何言ってんだよ亜子、学校楽しいよ?きっと行ったら楽しくなってくるよ」
心底心配した様子で、正樹がいう。
「ん?そのセリフ、どこかで聞いたことあるような……」
「え?あっはっは、気のせい気のせい。それよりさ、またお前の服、選んでやるから今日講義終わったら買い物行こうぜ」
「う、うん……」

正樹っていいやつなんだけど、講義の最中も、終わった後も、ずーっと俺と一緒にいるんだよなあ。
服も高校生の頃から全部選んでくれるから、正直楽なんだけど。
なんか監視されてるみたい?っていうか……
だいたい、何で女の服にそんなに詳しいんだよ?女装趣味でもあるのか?
それに、自殺しようとしてたと思えないぐらい、明るくて元気なんだけど。

聞きたいことはたくさんあったが、いつもごまかされてしまうのだ。
それに……

「なあ亜子、それで、今日の夜も……な!」
「うん、わかってる。本当に正樹、好きだよね」
「俺は亜子の気持ちいいとこなら全部わかるからな」
こう豪語する正樹、言うだけあってあっちの方がすごく上手いのだ。
それに、女の身体は男の時より格段に気持ちいい。
亜子には悪いけど、これだけは女になって本当に良かったと思っている。

「ああ、俺も男がこんなに気持ちいいなんて……っと、何でもない。今日も楽しみにしてるよ」
「う、うん!」
俺は、正樹に抱かれることを想像して、早速身体と股間が熱くなるのを感じていた。

---

F(えふ)さんが投稿されていたこちらを見つつストーリーを付けさせていただきました!

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皆月なななです。 TSF(男が女になっちゃう)小説を書いています! Twitterもよろしくね https://twitter.com/nanana_minaduki

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